ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Deep Song / Kurt Rosenwinkel (2005)

ブラッド・メルドー、ジョシュア・レッドマンが参加した意欲作

ディープ・ソング / カート・ローゼンウィンケル

カートが2000年代の前半にVerveからリリースした4作品のうちの4作目。

ちなみに4作品は次の通り。
『The Enemies of Energy』 (2000年) ※1996年11月録音
『The Next Step』 (2001年) ※2000年録音
『Heartcore』 (2003年) ※2001年-2003年録音
『Deep Song』 (2005年)


前作の『Heartcore』はサンプリング音源を多用し、ヒップホップ的な構造を取り込んで制作された作品だった。

本作では、アコースティックに回帰した感がある。

自己プロデュース能力の高い彼にしては珍しく、レーベル主導で制作されたようで、ブラッド・メルドー、ジョシュア・レッドマンら大物の起用も、レーベルの意思だろうか。

もっとファン層とセールスを拡大したかったのだろうか。

スタンダードを採り上げたのもその意思の表れかもしれないが、さすがにカートは一筋縄ではいかない。

過去のVerve作品よりは確かに耳馴染みはいいものの「Use of Light」の独特の浮遊感は彼ならではのものだし、各所にスリリングなフレーズが頻出する。

メルドーのアート性の高い演奏も流石で、聞き所の多い秀作だ。


Kurt Rosenwinkel (g)
Joshua Redman (ts) 
Brad Mehldau (p)
Larry Grenadier (b)
Jeff Ballard (ds / tracks 3, 4, 5, 8)
Ali Jackson (ds / tracks 1, 2, 6, 7, 9, 10)

①The Cloister 
②Brooklyn Sometimes 
③The Cross 
④If I Should Lose You 
⑤Synthetics 
⑥Use of Light 
⑦Cake 
⑧Deep Song 
⑨Gesture 
⑩The Next Step