現代ジャズギターの最高峰のメジャーデビュー作
エネミーズ・オブ・エナジー / カート・ローゼンウィンケル
リリーズは2000年だが、録音は1996年。
パット・メセニー以降、最も重要で最も影響力があるとされるジャズギタリスト、カート・ローゼンウィンケルの、これがメジャーデビュー作で、Verve4部作の1枚目にあたる。
自己プロデュース能力に長け、作曲家としても力量のある人だが、この作品も全10曲中9曲をオリジナル作品で固めている。
いわゆるコンテンポラリーの範疇に入る内容だが、フレーズは独創性に冨み、調性の移動やアクセントの入れ方の意外性が、浮遊感のある音世界を創り上げている。
曲調は、バップやジャズ・ロックもあれば、中南米ぽいノリもあってカラフル。
聞き直して見ると、その後の彼の演奏の主要な要素が、この作品の時点ですでに明らかにされているような印象だ。
これで当時26歳だったのだから、まさに破格の新人だったわけだ。
ドラムのジェフ・バラード、テナーのマーク・ターナーらツワモノ揃いの共演陣のプレイも良い。
1 The Enemies Of Energy
2 Grant
3 Cubism
4 Number Ten
5 The Polish Song
6 Point Of View
7 Christmas Song
8 Dream Of The Old
9 Synthetics
10 Hope And Fear
Guitar – Kurt Rosenwinkel
Bass – Ben Street
Drums – Jeff Ballard
Piano, Keyboards – Scott Kinsey
Tenor Saxophone – Mark Turner