ハートコア / カート・ローゼンウィンケル
2000年代以降のジャズギターの歴史を変えた一枚
エリック・クラプトン主催の「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」に招聘されるなど、ジャンルを超えた活躍を見せる、現代のギター・ヒーロー、カート・ローゼンウィンケルの2003年作品。
メジャーとしてはこれが3作目で、A TRIBE CALLED QUESTのメンバーにしてHIP HOPレジェンド=Q-TIPが共同プロデューサーとして参加。
そのせいもあって、HIP HOPテイストの打ち込みを多用しており、また、ローゼンウィンケルはギターだけでなく、キーボード、ドラム、ヴォイスも担当し、レイヤーを重ねて仕上げたとされる。
どうしてもメルドーやレッドマンに耳が行きがちだが、ベースのラリー・グレナディア、ドラムのアリ・ジャクソンのストイックなプレイも聴きもの。
当時、私を含め多くのジャズギターファンは「ナンじゃこりゃ!?」と驚いたものだが、それまでになかった新しい音の質感だったことは確かだ。
HIP HOPとジャズの融合、そしてこうした演奏や録音のスタイルが、その後のジャズシーンの大きな流れになったことは言うまでもなく、ローゼンウィンケルの先見性には改めて驚く。
2000年以降のジャズギターの歴史を語る上で重要なアルバムだ。
1.Heartcore
2.Blue Line
3.All The Way To Rajasthan
4.Your Vision
5.Interlude
6.Our Secret World
7.Dream/Memory?
8.Love In The Modern World
9.Dcba//>>
10.Thought About You
11.Tone Poem
Bass – Larry Grenadier
Drums – Ali Jackson
Guitar, Vocals, Producer – Kurt Rosenwinkel
Mastered By – Greg Calbi
Piano – Brad Mehldau
Tenor Saxophone – Joshua Redman