ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

RáDIO MISTéRIO / Pedro Martins (2023)

クラプトンやサンダーキャットが参加、ブラジル出身の俊英の注目作

Rádio Mistério

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ハヂオ・ミステリオ / ペドロ・マルチンス

ブラジルの新世代ギタリストの筆頭格、ペドロ・マルチンスは、シンガー、ソングライター、マルチ・インストゥルメンタリストでもある才人。

彼が注目されるようになったのは、現代ジャズギターの皇帝カート・ローゼンウィンケルの『Caipi』(2017年)に参加したことがきっかけだ。

プレイヤーとしてのみならず、かのカートの作品の共同プロデューサーも務めたのだから、注目されて当然。

ペトロとカートは、エリック・クラプトンが主催するクロスロード・ギター・フェスティヴァル2019に出演。

そうした縁もあってなのか、本作には何とクラプトンも参加。

ジャンルを超えて、それほど評価され、期待されているということだろう。


さて、リリース元のインフォは次の通り。

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圧倒的な技術とメロディアスでドリーミーなボーカル、最先端の音楽を奏で世界中の注目を集める。 アントニオ・ロウレイロ、フレデリコ・エリオドロ、ジェネヴィーヴ・アルタディ等新世代ジャズを代表するアーティストとも活動し、より一層期待感が高まる中での待望のアルバム。
現代最高峰のベーシスト、サンダー・キャットやギターの神様と称されるエリック・クラプトン、ハートコア主宰カート・ローゼンウィンケルが参加。
世界のスーパースターが勢揃いした正に最強の1枚が生まれた。全世界のあらゆる音楽が昇華され、最先端のジャズとして生み出される瞬間を詰め込んだ名盤。
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「世界のスーパースターが勢揃いした正に最強の1枚」とか、大げさすぎて、かえって安っぽく感じられるが、ジャズ×ブラジル×ロックをイマドキの感覚でクロスオーヴァーさせた作品としては、かなりの出来栄え。

ジャズというよりはメロウなポップ。全曲、柔らかい声質でのヴォーカル入りだから、なおのことその印象は強い。

サンダーキャットやオマー・ハキムなど参加ミュージシャンの顔ぶれが凄いが、半数の曲はペトロ一人での演奏なので、マルチ・インストゥルメンタリストとしての面目躍如。

ゲストばかりが目立つという格好ではないのが、好ましく思える。

これからも注目しておきたい俊英だ。

 

 

 

Pedro Martins(drums,perc, bass,guitars, piano, vocals, keys)
Thundercat(vocals, bass, 808 perc)
JD Beck(drums)
Omar Hakim(drums)
Chris fishman(piano)
Genevieve Artadi(Written)
Daryl Johns(bass)
Kurt Rosenwinkel(synth)
Eric Clapton(guitar)