傑作アルバム『View With A Room』の続編となるEP
ザ・レイヤーズ / ジュリアン・ラージ
コンテンポラリー・ジャズ・ギターを代表するプレイヤーの一人、ジュリアン・ラージ。
ブルーノートからの2枚目となった前作アルバム『View With A Room』(2022)は多くの称賛を集め、彼のキャリアにおいて重要な一作になった。
本作はその『View With A Room』と同じセッションでレコーディングされた、連作というか続編というか、関連の深いアルバムである。
ジャケットデザインからして兄弟姉妹みたいだし。
収録は全6曲で全てオリジナル。
ベースのホルヘ・ローダー、ドラムのデイヴ・キングは当然前作と同じで、これまた前作と同じく、ビル・フリゼールが5曲でゲスト参加している。
ジュリアン・ラージもビル・フリゼールも、演奏技術で勝負するというよりは、音空間の設計力、オーケストレーションに長けた人なので、本作でもその持ち味が十分に発揮されている。
ひとつひとつの音のレイヤー輪郭の鮮やかさ、その重ね方、ずらし方(間合いの取り方)が絶妙なのだ。
当然、前作と世界観、音の表情は似ているし、全体で24分と短めではあるものの、完成度は高く前作のアウトテイクのような印象はない。
あえて比較するなら本作の方がアコギが多いからかもしれないが、やや内省的でおとなしめにまとまっているように聞こえる。
ジュリアン・ラージのコメントによれば「前作の試金石となる音楽の種をすべて含んでいる」のだそうで、なるほど続編というよりは、前編、プロローグと捉えるべきなのかもしれない。
Julian Lage(g)
Jorge Roeder(b)
Dave King(ds)
Bill Frisell(g)
1.Everything Helps
2.Double Southpaw
3.Missing Voices
4.This World
5.Mantra
6.The Layers