アメリカーナの香り豊かなギタートリオの佳作
スクイント / ジュリアン・ラージ
コンテンポラリー・ジャズ・ギターの第一人者、ジュリアン・ラージがブルーノートからリリースした初のリーダー作がこちら。
ベースのホルヘ・ローダー、ドラマーのデイヴ・キングとのトリオ作品で、全11曲の収録曲のうち9曲がオリジナル。
ジャンルとしてジャズに分類されてはいるが、ジュリアン・レイジが奏でるフレーズは、カントリーであり、ブルースであり、ロックンロールであり、つまるところはアメリカで愛され親しまれているギターミュージック、と考えるべきだろう。
こうした音楽へのアメリカでのシンパシーは、日本人が想像できないくらい強いだろうし。
ブルース、フォーク、ロックンロールの影響が強くはあるが、それらの音楽によくあるような、多少ラフな演奏でもノリで飛ばして雰囲気でまとめるといった風情はまったくなく、音は端正で緻密。
タイトル曲の「Squint」では超高速フレーズ炸裂するが、美メロのスロウも多々あり、トーンコントロールも見事なので、全体を通して表情はことのほか豊か。
ベースのホルヘ・ローダー、ドラマーのデイヴ・キングが弾くリズムにも躍動感と駆動力があって、ギタートリオとしての完成度は非常に高い。
弾いているのはCollingsのシグネチャーモデル470JL。音もフォルムも美しい。
Julian Lage (g)
Jorge Roeder (b)
Dave King (ds)
1 Etude
2 Boo's Blues
3 Squint
4 Saint Rose
5 Emily
6 Familiar Flower
7 Day and Age
8 Quiet Like A Fuse
9 Short Form
10 Twilight Surfer
11 Call Of The Canyon