イギリスの気鋭ギタリストの初リーダー作
パープル・ブラック Vol. 1 / デヴィッド・プレストン
デヴィッド・プレストンはロンドンを拠点に活動するギタリストで、トリオ編成のプレストン・グラスゴウ・ロウのメンバーとして知られ、このトリオで来日経験もある。
プレストン・グラスゴウ・ロウはこれまで2枚のアルバムをリリースしているが、本作はデヴィッド・プレストンの初リーダー作。
トリオのメンバーでもあるベースのケヴィン・グラスゴウに加え、ピアノにキット・ダウンズ、ドラムにセバスチャン・ロックフォードを迎えたカルテット編成。
この二人は、つい先ごろECMからデュオアルバム『A Short Diary』をリリースしたばかりだ。
初リーダー作とはいえ、多くのキャリアを重ねてきた人だけあって、完成度は相当高い。
もちろん即興も多々あるのだが、作編曲の段階でかなり練り上げられた印象で、音色の選択やハーモニーの組み上げ方など、微に入り細に入った感じ。
曲も多様で、アナログシンセをフューチャーした80年代ポップのような曲もあれば、ギターとピアノでの静謐で内省的なデュオもある。
繰り返しになるが、どの曲も、研ぎ澄まされた音色とハーモニーが素晴らしく、心地よい緊張が全編を覆う。
Vol. 1というからには、続編もあるのだろう。期待したい。
David Preston – guitar
Kit Downes – piano, organ, keyboards
Kevin Glasgow – bass
Sebastian Rochford – drums
1.O. Winston
2.Cassino Dream
3.Urtext
4.Purple
5.Black
6.Blues for Klemens
7.Salem Ascending
8.Prison Lullaby
9.Shade of Shibuya
10.VHS Poem
11.Susie Q's
12.Purple/Black - live studio mix