現代ジャズ・ギターの最高峰、ブルー・ノートからの4作目。
スピーク・トゥ・ミー / ジュリアン・ラージ
ブルー・ノートからの3作目『The Layers』(別記事あり)は2023年、その前の『View With A Room』(別記事あり)は2022年だったから、年に1枚ペースというコンスタントなリリースぶり。
本作のプロデュースは、シンガーソングライターであり、エイミー・マン、エルヴィス・コステロ、アラン・トゥーサンらのプロデューサとしても知られるジョー・ヘンリー。
そのせいなのかどうか、ジュリアン・ラージのそもそものアメリカーナ路線を踏襲しつつ、ちょっとスワンプぽいというか、サザンロックぽいようなテイストが増したような印象もある。
とはいえ曲想のバリエーションは、ブルースあり、カントリーあり、ロックあり、フリーありと幅広い。
前作、前々作にはビル・フリゼールが参加していたが、今回は顔を見せず。
ベースのホルヘ・ローダー、ドラムのデイヴ・キングという長年のリズム隊に加え、サックスとクラリネットにレヴォン・ヘンリー、キーボードにパトリック・ウォーレンが参加し、多彩さを加えた。
改めて言うまでもないが、ジュリアン・ラージのフレーズ、ハーモニーのアイデアの豊かさは、無限とも思えるほど。
カルテット、セクステットでのアンサンブルも緩急自在で、それぞれの楽器の空間への配置が絶妙だ。
微細な弦の響きをつぶさに捉えた録音も素晴らしい。
ジャズというジャンルに限らず、コンテンポラリーなギターミュージックとしては、現代の最高峰といっていいだろう。
決して大衆ウケするタイプの音楽ではないけれど、好事家だけに評価されているわけでもなく、JAZZWEEKのチャートでは2024年4月1週目の時点で39位となっている。
Julian Lage(g)
Jorge Roeder(b)
Dave King(ds)
Kris Davis(p)
Levon Henry (cl)
Patrick Warren(key)
1. Hymnal
2. Northern Shuffle
3. Omission
4. Serenade
5. Myself Around You
6. South Mountain
7. Speak To Me
8. Two And One
9. Vanishing Points
10. Tiburon
11. As It Were
12. 76
13. Nothing Happens Here