イタリアの若き俊英と巨匠ロン・カーターとの双頭アルバム
ビター・ヘッド / ダニエル・コルディスコ、ロン・カーター
ダニエル・コルディスコとロン・カーターの名前が、ジャケットにどーんと大きく掲げられているが、デュオアルバムではなく、双頭(連名)でのコンボ編成の作品である。
ロン・カーターはいまさら説明するまでもない、ジャズ・ベースの巨匠。
ダニエル・コルディスコはイタリアを代表するジャズギタリストであるニコラ・コルディスコの息子で、1988年生まれの若き俊英だ。
日本での知名度は今一つな印象だが、2010年に「トスカーナ・ジャズ・コンテスト」最優秀ギタリスト賞を受賞し、2014年に初のリーダー作『This Could Be The Start』をリリース。
欧米では期待の若手として評価されているようだ。
このアルバムにも参加しているイタリア出身のドラマー、ルカ・サンタニエッロが、ジュリアード音楽院で学んだ際にロンと親交を結び、ダニエルの演奏を紹介したところ、ロンが関心を抱いたらしい。
ダニエルのギターは、実にオーセンティンクでジャズギターの王道を行くもの。
クリーンなトーンで軽やかにメロディアスに弾きまくる。
それをロンのコク深いベースがどっしりと支え、ときにスインギーに駆動させるという構図。
トリオ、カルテット、それぞれの編成があるが、ジェブ・パットンのピアノの切れ味もななかなか。
特段のサプライズはないが、「Come Rain Or Come Shine」などスタンダード中心に聞きどころ満載だ。
Daniele Cordisco - guitar
Ron Carter - bass
Luca Santaniello - drums
Jeb Patton - piano on #1,2,3,6,7
1.Canadian Sunset
2.Tangerine
3.Mr. P.B.
4.Angel Eyes
5.Come Rain Or Come Shine
6.F.R.C.
7.Bitter Head
8.Autumn In New York