ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Sounding Point / Julian Lage (2009)

ゲイリー・バートンに見出された “神童” の初リーダー作

サウンディング・ポイント

サウンディング・ポイント

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サウンディング・ポイント / ジュリアン・ラージ

なんと12歳のとき、ゲイリー・バートンのグラミー賞授賞式のステージで共演したという神童ジュリアン・ラージ。

彼の記念すべきデビュー作がこのアルバムで、このときハタチそこそこなのだが、その非凡さには驚くばかり。

独創的なフレージングの数々も圧巻だが、さらに見事なのはアルバム全体のサウンドデザインのアイデアの豊かさ、完成度の高さだ。

ジャズと並行して習得したという、インド音楽、クラシック、アメリカーナなどの要素を巧みに取り入れ、繊細な音空間を構築しつつ、ソロになると自由度高く跳ね回る。そのバランスが心憎い。

本人はジム・ホールの影響が大きいと語っているそうだが、ここで鳴っている音からは、ゲイリー・バートンやパット・メセニー、カート・ローゼンウィンケルあたりからの影響が垣間見える。

曲ごとに編成を変えているのも、アイデアの豊富さゆえだろうが、ゲストにマンドリン、チェロ、バンジョーまで必要だったのかは、ちと疑問。

後年やるべきことを、初リーダー作でやっちゃった感があるが、これだけの才能の人なので、今後オーソドックスなギタートリオやソロ、デュオでも素晴らしい作品を送り出してくれるだろう。

 


Julian Lage (g)
Ben Roseth (sax)
Aritides Rivas (cello)
Jorge Roeder (b)
Tupac Mantilla (ds,perc)
Taylor Eigsti (p)
Bela Fleck (banjo)
Chris Thile (mandorin)

1.Clarity
2.All Purpose Beginning
3.Familiar Posture
4.The Informant
5.Peterborough
6.Long Day,Short Night
7.Quiet,Through And Through
8.Lil' Darlin'
9.Tour One
10.Alameda
11.Constructive Rest
12.Motor Minder
13.All Blues