ビュー・ウィズ・ア・ルーム / ジュリアン・レイジ
ビル・フリゼールも参加した2022年屈指のジャズギターアルバム
ブルーノート移籍第一弾となった前作『Squint』(2021)で、ジャズをベースにしながらも、アメリカーナ色の濃いスタンスを示した、現代最高峰のジャズギタリスト、ジュリアン・ラージ。
本作も前作同様、ホルヘ・ローダー(ベース)、デイヴ・キング(ドラムス)のトリオ編成での作品である。
オリジナル10曲のうち、なんと7曲にジャズギターの重鎮ビル・フリゼールが参加。
事実上、カルテット編成での演奏だ。
かねてデュオなどで共演した経験のある二人だが、ここでの主役はもちろんジュリアン・ラージ。
ビル・フリゼールはあくまで脇を固めるポジションではあるものの、オーケストレーション的な音空間の演出において、彼のギターが果たす役割は、やはり大きい。
ビルと、手堅いリズム隊に支えられ煽られつつ奏でるジュリアンのフレーズは、どれもアイディアが豊かで独創的で、ニュアンスの陰影が深い。
2022年屈指のジャズギターアルバムと言えそうだ。