ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

One Step Closer / 瀬川千鶴 (2024)

CASIOPEA-P4のメンバーらも参加、女性実力派フュージョンギタリストの1st

One Step Closer

One Step Closer

  • アーティスト:瀬川千鶴
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
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ワン・ステップ・クローザー / 瀬川千鶴 

THE JAZZ AVENGERSで活躍中のギタリスト瀬川千鶴、初のフルアルバム。

参加メンバーがすごい。

CASIOPEA-P4からベースの鳴瀬喜博、キーボードの大髙清美。

T-SQUAREからドラムの坂東慧、元メンバーのベース須藤満。

加えてドラムに多田涼馬、キーボードに古川初穂と、一騎当千の辣腕揃い。

それだけ、瀬川千鶴への期待は大きく、ミュージシャン仲間、先輩からも愛されているということだろう。

下記の動画で見られるが、ナルチョさんとの掛け合いの楽しそうなこと。

見ている方も嬉しくなる。


性別でどうこういう時代ではないし、先入観を持つべきではないが、かといって無視するべきものでもない。

日本のハードロック/ヘビメタ系の女性ギタリストの中には、かなりのテクニシャンが少なくない。

ただ彼女たちは、そのジャンルの中、バンドの中で活躍している人たちであって、私も「上手いなあ」とは思いつつも、そもそもヘビメタという音楽にいまひとつ馴染めないため、踏み込んで聴き込もうとは思わない。

瀬川千鶴のギターはジャズ/フュージョンを核にしながらも幅広く彩りが鮮やか。

テクニックはTHE JAZZ AVENGERSでの活躍ですでに知られるところだが、本作ではコンポーザーとしての腕を含め、さらに才能の幅広さを示した感じだ。

瀬川のギターは切れ味がよく、速弾きもただ早いだけでなくアタックに技があり、フレーズも華やか。変拍子上等の疾走感が心地よい。

先の参加メンバーに加え、ジャズアベの同僚・中園亜美の艶のあるサックスも耳馴染みがよく、全編ポジティブで躍動感にあふれている。

彼女のことをよく知らない、中高年のフュージョン好きが聞いても、十分納得できるはずだ。

かくいう私がそうなのだから。


ジャケ写で持っているギターはXoticだろう(なぜAmazonに写真がないのか)

Xoticといえば、男性なら菰口雄矢、女性なら瀬川千鶴だと印象づけられる作品でもあった。

 

 

1 Congestion
2 Morning
3 Trap
4 Jigsaw Puzzle
5 Inside, Outside
6 SMILE
7 On the weekend
8 Departure
9 Wander off
10 Dwarf