スティングの右腕ギタリスト、アコギでの叙情的、深遠な音世界
フォース・ウォール / ドミニク・ミラー
「スティングの右腕」という枕詞で語られることの多い辣腕ギタリスト、ドミニク・ミラー。
あれだけ世界的に有名なアーティストと長年一緒に活動しているのだから、そう紹介されるのも、まあ当然。
もちろん、スティング以外にも、ジュリア・フォーダムやティナ・ターナー、フィル・コリンズらの作品にも参加しているし、ソロ活動も活発だ。
本作「Fourth Wall」は、彼のオフィシャルサイトによれば、ソロ/デュオアルバムとしては6作目になる。
主な参加メンバーは、
ベースのNicolas Fiszman (ニコラス・フィズマン)、パーカッションのRhani Krija (ラーニ・クリヤ)、フルートのDavid Heath (デヴィッド・ヒース)、シンセサイザーとヴォーカルのMike Lindup(マイク・リンダップ)ら。
コーラスで参加しているMillerという姓の女性は、ドミニクの親族とのこと。
あと、トランペットのクリス・ボッティが1曲に参加している。
全編を通じて、とにかくドミニク・ミラーのアコギが見事。
繊細にして流麗、微かな音の余韻にまで、確かな意味を感じさせる。
ギターは日本が誇るK.Yairiのトーレスモデルで、BOOMの宮沢和史からプレゼントされたものだそう。
(ドミニクは宮沢のソロアルバム『Sixteenthmoon』(1998)に全面参加している)
ここまで見事に弾いてくれれば、ギターの作り手としても本望なのではないか。
全曲彼のオリジナル曲で、ジャズ、ニューエイジ、ワールド・ミュージックなど様々なエッセンスを取り込みながら、非常に叙情的でアート性の高い演奏を繰り広げている。
参加メンバーは多いが、決して賑やかな感じではなく、それぞれが控えめにドミニクの音世界に味を添えている印象。
繊細な余韻を味わうためにも、できるだけ良いオーディオで聞きたいアルバムだ。
1 Iguazu
2 One More Second
3 London Paris Cardiff
4 Meeting Point
5 Lyre's String
6 The Bridge
7 Lost and Found
8 Gabe
9 Three Souls
10 Count It Off
Dominic Miller / guitar,keyboards,keyboard bass,and electric percussion
Chris Botti / Trumpet
Nicolas Fiszmann / Bass
Rhani Krija / percussion
David Heath / alto flute,celtic flute
Misty Miller / vocals
Rufus Miller / vocals
Pino Palladino / bass
Mike Lindup / Prophet 5 synthesizer
Claudia Kennaugh / vocals
Adam Glasser / harmonica
William Topley / vocals