ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Cimarron / Joel Hierrezuelo (2023)

キューバ出身のギタリストが奏でるアフロと中近東音楽の邂逅

Cimarron

Cimarron

  • Continuo Jazz
Amazon

シマロン / ジョエル・イエレスエロ

キューバはハバナ出身のギタリスト、ジョエル・イエレスエロの3作目のリーダーアルバム。

1、2作目はチェックしておらず、本作もジャケットを見て、パーカショニストだと思っていた。

実際に彼はパーカションも演奏するそうだが、メインはギターで、現在はパリを拠点に活動中とのこと。

キューバと聞くと、私なんぞは反射的にイラケレやブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブなどの、陽気でノリがいいオーガニックなサウンドを思い浮かべてしまう。

ジョエル・イエレスエロの音にもそういう要素はあるものの、本作ではアフリカや中近東のエッセンスも多分にあって、多国籍的というかダイバーシティを感じさせる作品になっている。

参加メンバーも多様で、ベーシストのフェリペ・カブレラは、これまたキューバのゴンサロ・ルバルカバと活動を共にしていた人で、ドラマーのルクミル・ペレスはイタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ・トリオのメンバーだったそうだ。

リズムは変拍子を交え躍動的ながらも繊細さを併せ持ち、ギター、トランペット、フルートが織りなすメロディーは、どこか大らかで郷愁感がある。

コンテンポラリーなジャズには、ポストプロダクションで緻密に音を重ねた作品が多いが、この作品は真逆でスキマだらけで、そこが心地よい。

 


 

Joel Hierrezuelo – guitar, vocal, percussion
Leonardo Montana – piano
Felipe Cabrera – bass
Lukmil Pérez – drums
Sylvain Gontard – trumpet
Sylvain Barou – flute

1.Orin Fun Oku
2.Cimarron
3.La Nina Del Rio
4.Nana Cuye
5.Golden Moments
6.Como Si Fueras
7.The Mountain
8.Danza En La Aurora
9.Aura
10.De Tout Et De Rien
11.Game
12.Fe