古き良き時代の映画やTVの音楽を独自の浮遊感のあるサウンドで
星に願いを / ビル・フリゼール
アルバムタイトルに掲げられている曲は、日本でもよく知られる「星に願いを」。
1940年のディズニー映画『ピノキオ』の主題歌である。
本アルバムは、この曲に代表されるように、古き良き時代の映画やテレビドラマの曲たちをモチーフにしている。
「007」「いそしぎ」「ムーン・リバー」など、日本でもおなじみの曲がずらり。
彼はインタビューで次のように語っている。
どの曲にも個人的な思い出とつながりがある。初めてその映画を観て、その音楽を聴いたときに何を感じて、何が起こったかを覚えている。
今の僕がやろうとしているのは、「こんなのは聴いたことない、まったく新しい」と当時受けた衝撃を思い出し、その感覚をとらえることだ。だから、過去を振り返っているけど、前を向いてもいるんだ
（そのインタビュー記事はこちら）
鬼才、ビル・フリゼールのことだからして、編曲は緻密でヒトクセあるし、浮遊感のあるサウンドデザインもいつもどおり。
そのドリーミーな響きがもつ郷愁感が、懐かしい曲たちによく合っていて、なるほどと思わせる。
エイヴィン・カンのヴィオラの響きもいいし、チャーリー・ヘイデンの娘であるペトラ・ヘイデンの優しく艷やかで、ときとして神秘的な歌声も素晴らしい。
日本人である私が聞いてグッとくるのだから、中年以上のアメリカ人の胸には、さぞかし沁み渡ることだろう。
Bill Frisell Guitar
Petra Haden Voice
Eyvind Kang Viola
Thomas Morgan Thomas Morgan
Rudy Royston Drums, Percussion
1.To Kill a Mockingbird, Pt. 1
2.To Kill a Mockingbird, Pt. 2
3.You Only Live Twice
4.Psycho, Pt. 1
5.Psycho, Pt. 2
6.Shadow of Your Smile, The
7.Bonanza
8.Once Upon a Time in the West (Theme)
9.As a Judgement
10.Farewell to Cheyenne
11.When You Wish Upon a Star
12.Tales From the Far Side
13.Moon River
14.Godfather, The
15.Bad and the Beautiful, The
16.Happy Trails
