ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

A Closer View / Ralph Towner & Gary Peacock (1998)

ECMを代表するギタリストとベーシストのデュオ第二弾

Closer View

Closer View

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ア・クローサー・ヴュー / ラルフ・タウナー & ゲイリー・ピーコック

この二人によるデュオアルバムは94年リリースの『オラクル』に続く第2弾。

「オラクル」はピーコックの曲が多かったが、本作はタウナー作が大半だ。

当時、 ラルフ・タウナーは40代後半、ゲイリー・ピーコックは50代前半。

そろそろベテランの域に入りつつある年代らしく、円熟味を感じさせながらも、溌剌として瑞々しい印象もある。

細密で品のある音の響きは、その余韻が消えゆくまで美しく、ときに寡黙ときに雄弁な二人の対話も絶妙。

特に#4、#6の二人の絡み合いや応酬は見事で、聴き応えがある。

ただ、いささか二人だけの世界に浸り過ぎな感もあるし、数曲あるインプロビゼーションも、自由にやってるようで、やはりECM的かつ内向きな印象だ。

微かなエコー感まで含めて実にECMらしいアルバムなので、そのコンセプトや音像を好む人には良いが、その輪の外にいる人にはまでは、いささか届きにくいだろう。

 

Ralph Towner(g)
Gary Peacock(b)

 

1. Opalesque
2. Viewpoint
3. Mingusiana
4. Creeper
5. Infrared
6. From Branch To Branch
7. Postcard To Salta
8. Toledo
9. Amber Captive
10. Moor
11. Beppo
12. A Closer View