ホーン、ストリングスが参加したゴージャスなNY録音作。
ヴィレッジ・イン・バブルス / 渡辺香津美
渡辺香津美、1978年リリースの8作目のリーダーアルバム。
70年代後半の渡辺香津美は、平均して1年に1枚以上というハイスピードでアルバムをリリースしていた。
78年には6月に『LONESOME CAT』を、11月に本作と、2枚をリリース。
どちらもニューヨーク録音である。
渡辺は80年代に入ると、ロック寄り~ハードフュージョンの路線を歩むわけだが、この頃は、いわゆるオーソドックスなコンテンポラリー・ジャズスタイル。
10代で鮮烈なデビューを果たし、すでに評価は揺るぎないものだったが、本作でもその才能を余すところなく発揮している。
このアルバムの特長はというと、まず先輩の増尾好秋が参加していること。
ぶっちゃけ、ソロを聞いてもどっちがどっちかよくわからないのだが、よりスタンダードで音数が少ないのが、増尾だろう。
増尾はバックを固めるマンハッタン・ブレイズのメンバーとしての参加、というかたちのようだ。
もうひとつの特長は、8人のホーンセクション、14人のストリングスセクションが参加していること。
ゆえに、ときにゴージャスで、ときにきらびやか。
ギターもはつらつとして伸びやかで、実に気持ちよさそうに弾いている。
全曲、渡辺のオリジナルで、作曲の才覚も素晴らしい。
それにしても渡辺香津美のオフィシャルサイトのディスコグラフィに、本作は「アルバム廃盤 未CD化」とあるのはなぜなのか(2023年11月25日現在)。
長らくフィジカルが流通していなかったのは確かだが、2017年にCD化されている。
01 パーク・アヴェニュー/PARK AVENUE 5:27
02 ダンス・オブ・コロナ/DANCE OF CORONA 7:52
03 ヴィレッジ・イン・バブルズ/VILLAGE IN BUBBLES 8:40
04 マジック・カーペット/MAGIC CARPET 9:58
05 マスタッシュ・ダディ/MUSTACHE DADDY 7:10
06 クリスタル・レイン/CRYSTAL RAIN 6:07
渡辺香津美 Kazumi Watanabe(electric, acoustic guitars)
●マンハッタン・ブレイズ Manhattan Blaze
増尾好秋 Yoshio Masuo(electric guitar)
ミッキー・タッカー Mickey Tucker(acoustic piano/Fender Rhodes/ Elepian- 4,6)
アレックス・ブレイク Alex Blake(electric, acoustic basses)
イドリース・ムハメッド Idris Muhammad(drums)
レイ・マンティラ Ray Mantilla(percussions)
ノブ No-Bu(percussions)
ジョー・チェンバース Joe Chambers(vibe/cowbell)