当代屈指の名手による、ギター&ピアノ・デュオの傑作
メセニー・メルドー / パット・メセニー、ブラッド・メルドー
ジャズギターとジャズピアノ、いずれも当代屈指の名手のコラボだからして、悪かろうはずがない。
かの有名なビル・エヴァンス&ジム・ホール『Undercurrent』(1962:別記事あり)等と並ぶ、ギター&ピアノ・デュオの傑作である。
楽曲は全10曲中、パット作7曲、ブラッド作3曲。
演奏は、基本的にデュオで、4、7曲目のみラリー・グレナディア(B), ジェフ・バラード (Dr)を加えたカルテットになる。
このリズム隊も豪華すぎて目眩がしそうだ。
パットとブラッド、どちらとも共演経験のあるラリー・グレナディアが橋渡しをしたのだろう。たぶん。
二人とも天才肌で、多くの場数を踏んできているから、相手が何をやろうとしているか、それに対して自分はどうするか。
瞬時に判断して指先に伝えることができるのだろう。
美しく、かつスリリングで緊張感に満ちたインタープレイは本当に見事。
また、決して技の応酬に終止するばかりでなく、大きな風景画を二人で仕上げていくような、一体感も素晴らしい。
これは豊かな詩情性や無国籍性など、そもそもの二人の価値観に共通する部分が多いからだろう。
4曲目と7曲目という、いいタイミングでリズム隊が参加してくるのも、絶好のアクセントになっていて、アルバム全体の完成度を増している。
ほめてばっかだが、あえてアラを探す理由もない。
冒頭に書いたように、これはギター&ピアノの傑作デュオとして後世に語り継がれるはずだ。
Pat Metheny(G)
Brad Mehldau(P)
Larry Grenadier(B)4,7
Jeff Ballard(Ds)4,7
1 Unrequited
2 Ahmid-6
3 Summer Day
4 Ring Of Life
5 Legend
6 Find Me In Your Dreams
7 Say The Brother's Name
8 Bachelors III
9 Annie's Bittersweet Cake
10 Make Peace