ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Metheny,Mehldau / Pat Metheny,Brad Mehldau (2006)

当代屈指の名手による、ギター&ピアノ・デュオの傑作

メセニー・メルドー

メセニー・メルドー

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メセニー・メルドー / パット・メセニー、ブラッド・メルドー

ジャズギターとジャズピアノ、いずれも当代屈指の名手のコラボだからして、悪かろうはずがない。

かの有名なビル・エヴァンス&ジム・ホール『Undercurrent』(1962:別記事あり)等と並ぶ、ギター&ピアノ・デュオの傑作である。

楽曲は全10曲中、パット作7曲、ブラッド作3曲。

演奏は、基本的にデュオで、4、7曲目のみラリー・グレナディア(B), ジェフ・バラード (Dr)を加えたカルテットになる。
このリズム隊も豪華すぎて目眩がしそうだ。

パットとブラッド、どちらとも共演経験のあるラリー・グレナディアが橋渡しをしたのだろう。たぶん。

二人とも天才肌で、多くの場数を踏んできているから、相手が何をやろうとしているか、それに対して自分はどうするか。

瞬時に判断して指先に伝えることができるのだろう。

美しく、かつスリリングで緊張感に満ちたインタープレイは本当に見事。

また、決して技の応酬に終止するばかりでなく、大きな風景画を二人で仕上げていくような、一体感も素晴らしい。

これは豊かな詩情性や無国籍性など、そもそもの二人の価値観に共通する部分が多いからだろう。

4曲目と7曲目という、いいタイミングでリズム隊が参加してくるのも、絶好のアクセントになっていて、アルバム全体の完成度を増している。

ほめてばっかだが、あえてアラを探す理由もない。

冒頭に書いたように、これはギター&ピアノの傑作デュオとして後世に語り継がれるはずだ。

 

Pat Metheny(G)
Brad Mehldau(P)
Larry Grenadier(B)4,7
Jeff Ballard(Ds)4,7


1 Unrequited
2 Ahmid-6
3 Summer Day
4 Ring Of Life
5 Legend
6 Find Me In Your Dreams
7 Say The Brother's Name
8 Bachelors III
9 Annie's Bittersweet Cake
10 Make Peace