かの「The Spice Of Life」の再来を感じさせる痛快なトリオ作。
トリオ編成での2013年作。
ベースのジェフ・バーリンとは『The Spice Of Life』以来約25年ぶり。
といってもライブには参加しているが。
その『The Spice Of Life』もトリオ編成で、ドラムはビル・ブルーフォードだった。
本作に参加しているドラムはヴァージル・ドナティで、ビルに比べれば知名度は劣るが、スティーヴ・ヴァイやアラン・ホールズワースとの共演でも知られる凄腕だ。
「I Will」はビートルズのカバー。
そのほかは全曲、彼らのオリジナルで、3人ほぼ同数を作曲。どれも完成度は高い。
ギター・トリオというと、品のよい正統派の演奏を連想する向きもあろうけれど、本作は相当フュージョンぽい。
3人とも、やたらと上手いので、アンサンブルの緩急は見事だし、ソロの自由度は高くて、聞き所満載。
特に#2「Secret Of Tokyo」は、実に痛快でスリリングだ。
いくらプロ中のプロとはいえ、こんなややこしい変拍子をよくあわせられるものだと感心する。
それも機械的にジャストに合わせた感じではなく、ちゃんとグルーブがあるし。
全体にドラム、ベースの見せ場もかなりフィーチャーされていて、もちろん中心にいるのは渡辺香津美ではあるものの、とても「トリオ」色の強い作品だと感じる。
01 Spinning Globe / スピニング・グローブ
02 Secret Of Tokyo / シークレット・オブ・トーキョウ
03 Duress Code / デュレス・コード
04 Owed To Joy / オウド・トゥ・ジョイ
05 The User / ジ・ユーザー
06 Reflection Of Paris / リフレクション・オブ・パリス
07 KOKORO / ココロ
08 I Will / アイ・ウィル
09 JFK / ジェイ・エフ・ケー
渡辺香津美(ギター)
ジェフ・バーリン(ベース)
ヴァージル・ドナティ(ドラム)