ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Caribbean Blue / Russ Spiegel (2023)

寡作なギタリスト、ジャズチャートベスト10入りの7作目

Caribbean Blue

Caribbean Blue

  • Ruzztone Music
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カリビアン・ブルー / ラス・スピーゲル

カリフォルニア出身でフロリダを拠点に活動するギタリスト、ラス・スピーゲル。

初のリーダー作『Monky』のリリースが1998年で、そこから約25年を経て本作が7作目だから作品数は少ないが、いくつかのカレッジで教鞭をとっているらしく、その両立ゆえかもしれない。

本作は、基本的にカルテットかクインテットでの演奏で、ラス・スピーゲルの端正でメロウなギターが主役でありつつ、アンサンブル重視の内容。

アルバムタイトルの「Caribbean Blue」は、なんだが高中正義の作品みたいで、往年のフュージョンブームを思い起こさせる。

実際「Island Song」という、まんまなタイトルの軽快なカリブ風味な曲を筆頭に、総じてカラフルで躍動感がある。

オルガン、トランペット、テナー、トロンボーンに、ハーモニカやヴォーカル入りの曲もあり多彩で華やかだ。


などと、わかったようなことを書いているが、実は私がラス・スピーゲルを知ったのは、この作品がはじめて。

JAZZWEEKのチャートをチェックしていて、目に止まったからだ。

アルバムのリリースは2023年10月なのだが、そこからじりじりとチャートを上がっていき、2024年1月にはなんとベスト10入り。
最高位は5位である。いやはや、たいした人気だ。

私は、ベスト10に入るようなアーティストは、ギタリストに限らず名前くらいは知っていることが多いのだが、彼の名前はこの時はじめて知った次第。

不勉強を恥じつつ、過去の作品もチェックしてみたい。

 

 

 

 

The Underdown Groove
E.22nd St
Caribbean Blue
Island Song
Slippery Slope
Inquietude
Retribution Blues
The Streets Of Milan
Smooth Move
Coda.


Russ Spiegel – electric and acoustic guitars
Jim Gasior – organ
Lucas Apostoleris – drums
Brian Lynch – trumpet (1, 4, 5, 8)
Tim Armacost – tenor sax (1, 4, 5, 7, 8, 9) & flute (2)
Javier Nero – trombone (4, 5)
Hendrik Meurkens – chromatic harmonica (2, 3, 6), 
Ben Beal – vocals on "Inquietude"