トラヴェルズ / パット・メセニー・グループ
メンバーの才気が全編にほとばしる傑作ライヴ
1982年7~10月、フィラデルフィア、ダラス、サクラメントなどで行われた全80公演の演奏から選りすぐって収録された、グループ初のライヴ・アルバム。
ライヴで観客が盛り上がるのは、やはり代表曲、有名曲が演奏されるときだから、ライヴ盤は自ずとベスト盤ぽい選曲になりがちだが、本作の収録曲の中で、既発表曲は4曲しかない。
このツアーの直前にリリースされたスタジオアルバムは『OFFRAMP』だが、そこからたった1曲しかやってないのだから驚く。
しかし、それでも会場は湧いているのだから、それだけ演奏が素晴らしかったということだ。
パットのギターはもちろん、ライル・メイズのシンセも聴き応え十分。
ナナ・ヴァスコンセロスのパーカッションが、アンサンブルに心地よい躍動感を与えている。
長尺の演奏が多いが、まったく飽きさせない。
パット・メセニーの音楽は映像を想起させるとよく言われるが、本当にロードムービーを観ているかのようだ。
会場の空気感を見事にとらえた録音も素晴らしい。
ファンとしては当然、次のライヴ・アルバムを期待していたわけだが、93年の『The Road to You』まで10年も待つことになる。
Pat Metheny – acoustic and electric guitars, guitar synthesizer
Lyle Mays – piano, synthesizers, electric organ, autoharp, Synclavier
Steve Rodby – acoustic and electric bass, bass synthesizer
Danny Gottlieb – drums
Nana Vasconcelos – percussion, voice, berimbau
disk1
1 Are You Going With Me?
2 Fields, The Sky, The
3 Goodbye
4 Phase Dance
5 Straight On Red
6 Farmer's Trust
disk2
1 Extradition
2 Goin' Ahead / As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls
3 Travels
4 Song For Bilbao
5 San Lorenzo