ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Trioing / Jonathan Kreisberg (2002)

現代ジャズギター・ヒーローの初のリーダー作

Trioing

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トリオイング / ジョナサン・クライスバーグ

ジョナサン・クライスバーグがトリオ編成で放った初のリーダー作。

実はこの作品より前に『Jonathan Kreisberg Trio』(1996)というのがあって、wikiに載ってるし、以前にはオフィシャルサイトにも掲載されていたのだが、何故だが消えてしまっている。

どんな事情かわからないけれど、オフィシャルサイトの作品のうち、いちばん古いのがこれなので、初リーダー作と考えていいのだろう。

彼は1972年ニューヨーク生まれで、10歳のときマイアミに引っ越し、16歳でニュー・ワールド・スクール・オブ・ザ・アーツに入学し、そこでジャズの勉強をスタートした。

マイアミ大学卒業後、さまざまなプロジェクトに参加し、一時期はプログレもやっていたらしいが、自身のジャズトリオを組んで、ジョージ・ベンソンらのオープニングアクトを務める。

その後、ニューヨークに戻り、ロニー・スミス、リー・コニッツ、ドン・フリードマンらと共演。

初のリーダー作が本作なわけで、30歳前後でのリリースだが、この時点でスタイルはかなり完成されている。

あまりトリッキーなことはやらず、音色も奏法もオーソドックスだが、先人のスケールをたどるような教科書的なものではなく、フレージングは巧み。

シングルトーンとコードの切り替え方のタイミングなどは絶妙で、ぐっとドライブをかけてくる、その緩急も達者だ。

トリオ編成ではあるものの、リズム隊はおとなしめでサポートに徹している感じ。

スタンダードが曲が多いため、こうなった側面もあるだろう。とは言え、やはり辣腕アリ・ホーニグのドラムはアイデアが豊かで切れ味がいい。

その後、彼はコンスタントに活動を続け、同世代のカート・ローゼンウィンケル(カートが2つ上)と並んで、現代ジャズギターのキーパーソンの一人となっている。

 

 Jonathan Kreisberg(G)
Johannes Weidenmueller(B)
Ari Hoenig(Ds)

1 Countdown
2 All of You
3 Sweet and Lovely
4 I Fall in Love Too Easily
5 Sorcerer
6 Old Devil Moon
7 Child Is Born
8 Have You Met Mrs. Jones
9 Ugly Beauty