ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Split life / Gilad Hekselman(2006)

イスラエル出身の気鋭ギタリストの初リーダー作

Splitlife

Splitlife

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スプリット・ライフ / ギラッド・ヘクセルマン

現代のジャズギターシーン重要人物の一人、ギラッド・ヘクセルマンはイスラエル出身。

奨学金を得て2004年にアメリカにわたり、2005年ギブソン・モントルー・インターナショナル・ギター・コンペティションで優勝。

そして2006年に初のリーダーアルバム『Split life』リリースと、トントン拍子でジャズシーンの最前線に躍り出てきた。

彼は1983年生まれだから、22か3という若さでデビューしたわけだ。

本作はドラムにアリ・ホーニグ、ベースにジョー・マーティンという、いずれもニューヨークで屈指の腕利きを伴ってのトリオ作品。

ぶっちゃけ、リズム隊がこの二人だからと興味を惹かれた人も多いはずだ。

NYのファット・キャットでのライブ・レコーディングで、オリジナルが5曲と、スタンダードなどが5曲。

このメンツでリーダー作を出すのだから当然だが、ヘクセルマンのギターはやたらとうまい。

トーンコントロールは繊細で美しいし、運指は流麗。
速弾きでもメカニカルな印象にならず、スムーズに流れて行くさまは熟練のベテランさながら。

ディスプレイスメント、いわゆる「ずらし」も巧みで効果的だ。

全体に浮遊感があって、ジム・ホールやジョン・アバークロンビー、パット・メセニーなどに影響されつつ、うまく消化している。

アリ・ホーニグのドラミングはさすがで、アイデアが非常に豊富で技の繰り出し方が絶妙。

ジョー・マーティンのベースは大人しめながら、アンサンブルの骨格を悠然と支えている。

彼らの的確なサポートを得て、上々のデビュー作になった。

 

Bass – Joe Martin
Drums – Ari Hoenig
Guitar – Gilad Hekselman

1.Purim
2.Hello Who Is This?
3.My Ideal
4.I Fall in Love Too Easily
5.Suite for Sweets
6.When Will the Blues Leave
7.Summer of Laughs and Tears, The
8.Breatless
9.I Should Care
10.My Second Childhood