ポストロック的な先鋭性とジャズの即興性を併せ持つセカンド
ツー / ニア・フェルダー
ニア・フェルダーは、1982年生まれ、ニューヨーク出身のギタリスト。
サポートミュージシャンとして多くのキャリアを積んできた人で、初リーダー作は2014年の『Golden Age』。
それから6年も経って、ぶっちゃけ存在を忘れかけていたが、6年ぶりのセカンドが本作。
前作が、アメリカン・ロック寄りでいささか意表を突かれたが、本作はイマドキ感のあるコンテンポラリーなジャズギター作品といった風情。
リリース元の紹介文がややおおげさではあるものの、なるほどな内容だ。
「極彩色の音を敷き詰めるようにギターの音色を操り独特の浮遊感のある美しいサウンドを展開させポストロックのような先鋭性とジャズの即興が繰り広げられています。
美しいギターのアルペジオが聴くものを古き良きアメリカの景色に誘い込むような場面があったと思えば、エレクトロニクスを多用しロック世代ならではの斬新な感性でジャズ/インストゥルメンタル・ミュージックを解体・再構築」
うねうねした浮遊感のあるフレーズや繊細なエフェクター使いは、カート・ローゼンウィンケルやギラッド・ヘクセルマンなど、当代のトップクラスのギタリストに通じるもの。
トリオ編成だが、シンセなどがかなり重ねられているようで、ポストプロダクションに相当手間をかけた感じだ。
なので、アーロン・パークス(p)、ネイト・スミス(ds)らの腕利きを揃え、ライヴ感のあった前作とは印象は異なる。
まだまだ引き出しの多そうな人なので、次作はもう少し短いインターバルでのリリースを望みたい。
Nir Felder – guitar
Matt Penman – bass
Jimmy MacBride – drums
1. The Longest Star
2. Interregnum
3. Fire in August
4. Coronation
5. Big Heat
6. Big Swim
7. War Theory