80代のレジェンド・ギタリストが甥っ子と共演
ザ・ニア・ノース・サイド / テラス・マーティン & カルヴィン・キーズ
かのパット・メセニーがリスペクトするという技巧派のベテランギタリスト、カルヴィン・キーズ。
1942年生まれだから、すでに80代に入ったレジェンドだが、なんとテラス・マーティンとの双頭アルバムをリリースした。
テラス・マーティンといえば、ケンドリック・ラマーやスヌープ・ドッグらの作品で知られる通り、ヒップホップとジャズを横断するプロデュースワークで注目を集める才人。
そしてテラス・マーティンは、カルヴィン・キーズの甥っ子だというのだから、びっくり!
このアルバムをリリースするにあたり、テラス・マーティンがSNSで紹介したエピソードがとても良いので、一部を訳してみた。
Today is extremely special for me and my family . I make a lot of records and I work with a lot of people but this particular artist is extremely special to my spirit . I was given the opportunity and the challenge of producing an album with my uncle Calvin Keys .Calvin is a… pic.twitter.com/BiINSJtOOx
— Terrace Martin (@terracemartin) November 17, 2023
「母によると、私が生後6ヶ月頃の赤ん坊の頃、カルヴィンが父を訪ねて来たそうだ。その夜、私は泣いていた。母はひどくストレスを感じていたようだ。カルヴィンはギターを持って私のベビーベッドに行き、ジャズのスタンダードを弾き始めた。私はギターを見つめ、すぐに眠りについた。カルヴィンは何度も夜やってきて、このようなことを繰り返した。父と母は、これが私が音楽を好きになるきっかけだったと信じている」
本作の参加メンバーは、キーボードのポール・コーニッシュ、ベースのベン・ウィリアムス、ドラムスのクリスチャン・ユーマンと西海岸の現代ジャズシーンの腕利きが揃った。
「In a Sentimental Mood」「Cotton Tail」というデューク・エリントンの名曲など、カヴァーを中心に全8曲。
うち2曲(3&7)はカルヴィン・キーズのオリジナルだ。
全体にゆったりとリラックスした印象の演奏で、良い意味での抜け感が心地よい。
双頭アルバムであるわりには、テラス・マーティンはあまり目立っていないが、「The Near North Side」では素晴らしいサックスを聞かせてくれる。
1 The Island
2 Invitation
3 Potholes
4 In a Sentimental Mood
5 Cotton Tail
6 Peace
7 Beau Dollar
8 The Near North Side
Calvin Keys – guitar
Paul Cornish – keyboards
Ben Williams – bass
Christian Euman – drums
Terrace Martin – saxophone