ジョーイ・デフランセスコ、クリスチャン・マクブライドが参加した滋味深い作品
ザ・グッド・ライフ / ジョージ・フリーマン
90代のお爺ちゃんが弾く、ゆったりまったりとしたジャズギターアルバムが、アメリカのジャズチャートJAZZ WEEKのベスト20に入った(2023年9月)。
決して今風とはいえない演奏ではあるが、こうしたハートウォーミングな音には根強い支持があるということだろう。
ジョージ・フリーマンは御年96歳。
チコ・フリーマンの叔父にあたる人で、チャーリー・パーカーら多くの大物と共演を重ねてきたシカゴ・ジャズ・シーンのリヴィング・レジェンドだ。
本作は、全体としてまったりとして穏やか。
ハートウォーミングな音と心地よいグルーヴにあふれている。
彼のギターには派手な見せ場はないが、決して退屈な感じはなく滋味深く馥郁としていて、しみじみと「良いギターだなあ」と思わせてくれるのは、やはり刻んできた年輪ゆえのこと。
サイドメンも豪華で、冒頭3曲は辣腕オルガニストのジョーイ・デフランセスコを加えたオルガントリオ、4曲目以降は現代最高峰のベーシスト、クリスチャン・マクブライド、ドラムのカール・アレンとのトリオである。
どちらも少人数編成ならではの細やかで密度のあるアンサンブルは流石で、デフランセスコとマクブライドの辣腕ぶりには唸らせられる。
デフランセスコは2022年の夏に亡くなってしまい、これが最後のレコーディングになったそうで、しみじみと惜しい。
でも死後、この録音がリリースされたことを喜ぶべきだろう。
96歳のジョージ・フリーマンに今後多くのことを望むのは憚られるし、アルバムタイトルからして終活ぽい印象だが、客演のかたちでもよいから、次の作品に期待したい。
George Freeman (guitar)
Joey DeFrancesco (organ)
Lewis Nash (drums)
Christian McBride (bass)
Carl Allen (drums)
1. If I Had You
2. Mr. D
3. Up and Down
4. Lowe Groovin'
5. 1,2,3,4
6. Sister Tankersley
7. The Good Life