ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Anthem of Unity / Joel Harrison (2023)

ジャック・デジョネットが参加したベテランギタリストの快作

Anthem of Unity

Anthem of Unity

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ジャック・デジョネットが参加したベテランギタリストの快作

ジョエル・ハリソンは1957年、ワシントンD.C.生まれ。

1980年代初頭にボストンでミュージシャンとしてのキャリアを開始し、サンフランシスコのベイエリアに移ってセッションミュージシャンとして活動を続けた。

現在はニューヨークを拠点に活躍中だ。

初のリーダー作は、1996年の『3+3=7 CD』で、以降コンスタントにアルバムをリリース。
2003年の『Free Country』は、カントリーのアイコン的存在であるジョージ・ジョーンズの音楽をジャズの文脈で再構築した作品として、高い評価を得た。


本作は基本的にコンテンポラリーで、ややロック的。
ジョン・スコフィールドを連想するジャズファンは多いだろう。

フレーズのアイデアが豊富で、トーンコントロールも巧み。
リーダーアルバムではあるが、あまりグイグイ前には出ず、アンサンブル重視の趣である。

そのアンサンブルで耳を引くのは、やはり御大ジャック・デジョネット。

最近は年齢なりに穏やかな印象もあったが、ここではハリソンから「大将、思い切ってやっちまってください!」とでも煽られたのか、かなりアグレッシブな叩きっぷりで、聞いていて痛快だ。

ゲイリー・ヴェルサーのハモンドも小気味よくアーシーな味わい。

オリジナル中心だが、ボブ・ディランの「The Times They Are A-Changin'(時代は変わる)」のカヴァーも、やや意外な選曲ながら違和感なく溶け込んいる。

オーディオ的にも音の分離がよく、心地よい。

日本での人気、知名度はいまひとつな印象だが、もっと聞かれてもいい人だと思う。

 

 

Joel Harrison (guitar)
Gary Versace (Hammond B-3 organ, piano)
Gregory Tardy (tenor saxophone, clarinet)
Jack DeJohnette (drums)

 

1.Anthem of Unity 8:17
2.Survival Instinct 4:35
3.The Times They Are A-Changin’ 5:30
4.Today is Tomorrow's Yesterday 5:08
5.Doxy 7:54
6.Migratory Birds 4:21
7.Parvati 8:31
8.Mohawk Valley Peace Dance 6:02