ブラジルの辣腕2人による極上のギターデュオ
ツー・ブラザーズ / シコ・ピニェイロ、ホメロ・ルバンボ
シコ・ピニェイロは1973年、ブラジル・サンパウロ生まれ。
バークリー音楽大学を卒業後すぐにプロ活動に入り、ブラジル音楽とジャズを絶妙にブレンドした演奏で高評価を得て、ニューヨークを拠点に活躍中。
ホメロ・ルバンボは1955年、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロ生まれ。
リオの音楽大学のクラシックギター科を主席で卒業後、ジャズギタリストとして佳作を連発し、ブラジルのジャズシーンで最高峰とされる巨匠だ。
彼も在ニューヨークなので、年齢差はあるものの自ずと交流は生まれるのだろう。
ブラッド・メルドーやジョシュア・レッドマンも手掛けた名プロデューサー、マット・ピアソンが二人をよく知っており、彼が尽力してこのアルバムが生まれたらしい。
内容はというと、まずエレキとアコギを使い分けた、それぞれの音色がとてつもなく美しい。
そして、デュオというスタイルを最大限に活かしたアレンジが見事。
一方がメロを弾いているとき、当然もうひとりはバックに回っているのだが、そのハーモニーやアクセントの重ね方、ずらし方が巧みで、主客の入れ替わりも絶妙。
「Waltz for Debby」なんて、何をいまさらな超有名曲を、見事なアレンジで素晴らしく新鮮に聞かせてくれる。
スティービー・ワンダー「Send One Your Love」、ビリー・アイリッシュ「My Future」、ビートルズの「For No One」などポピュラーの名曲たちが並ぶが、ある曲はオーガニックであり、ある曲は瞑想的。
ジャズのスタンダートやブラジル音楽もありで、選曲のバランスもとてもいい。
個人的には、2023年のジャズギターアルバム、ベスト10入は確実だ。
1.Aquele Um
2.Samba e Amor
3.Windmills of Your Mind
4.Red Blouse
5.Waltz for Debby
6.Wave
7.Send One Your Love
8.My Future
9.For No One
10.Morro Dois Irmãos
11.Sally's Tomato
12.Until