ギター・カルテットによる古き良き時代の映画音楽へのオマージュ
スタンダーズ・フロム・フィルム / マイク・モレノ・カルテット
カート・ローゼンウィンケルの次の世代を代表するギタリストの一人、マイク・モレノ。
2022年リリースの本作で採り上げているのは、タイトル通り「元々は映画音楽だったジャズのスタンダード」。
例えば、ヴィクター・ヤング作の「My Foolish Heart」はジャズの定番中の定番だが、そもそもは1949年の同名の映画で歌われたものだ。
1940～60年代のそうした作品たちを、マイク・モレノの解釈でアップデートし、カルテット編成で演奏している。
マイク・モレノのギターは、期待どおりに流麗で色気があり、聞き所は満載。
ここでのリズム隊はあくまでサポートに徹している印象で、マイクの出番がやたらと多いが、エレキとアコギを持ち替えたり、ソロもあったりと飽きさせない。
また、途中で映画のセリフが挟まれたりと演出も気が利いているが、そもそもの映画に詳しくないと、その妙味は十分に味わえず、個人的にはいささかやきもきした。
Mike Moreno (g)
Matt Brewer (b)
Sullivan Fortner (p)
Obed Calvaire (ds)
1. Beautiful Love (Victor Young) 2:33
2. You Stepped Out of a Dream (Nacio Herb Brown) 5:30
3. There Will Never be Another You (Harry Warren) 6:55
4. Stella by Starlight (Victor Young) 6:39
5. Laura (David Raksin) 8:17
6. I Fall in Love too Easily (Jule Styne) 7:31
7. On Green Dolphin Street (Bronislaw Kaper) 7:01
8. My Foolish Heart (Victor Young) 4:17
9. Invitation (Bronislaw Kaper) 8:07
10. Days of Wine and Roses (Henry Mancini) 9:44
