79歳にしてなおアグレッシブなギターレジェンド
リベレーション・タイム / ジョン・マクラフリン
ジョン・マクラフリンとミック・ジャガーは同世代で、ジョンがひとつ年上の1942年生まれ。
この年齢ならば、枯れた渋い味わいを醸し出していて当然だが、この二人には全くあてはまらない。
ジョン・マクラフリンの新作は、1970年代にマハヴィシュヌ・オーケストラを結成したころと変わらぬアグレッシブさ。
相変わらずの超絶技巧で、縦横無尽に弾きまくっている。
初っ端の「As the Spirit Sings」からフルスロットル状態で、痛快この上ない。
今回、参加ミュージシャンがかなり多いのは、トラックごとにメンバーも録音場所も異なるから。
当然これはパンデミックの影響によるものだ。
ただ、そのせいもあってか、アルバムとしてのトータリティにやや欠ける。
マクラフリンのピアノでのソロ曲なんて、インタールードとして考えたのかもしれないが、ぶっちゃけ不要である。
その中で聞きものは「Lockdown Blues」で、これはゲイリー・ハズバンド、エティエンヌ・ムバッペ、ランジット・バロットという、レギュラーチームの4th Dimensionによる演奏。
その一体感と疾走感、強靭なグルーブは圧巻で、ジョンのギターも冴え渡っている。
これで79歳。
まさに生けるレジェンドである。
John McLaughlin – guitar
Etienne Mbappe – bass
Jérôme Regard – bass
Sam Burgess – bass
Gary Husband – drums, keyboards
Nicolas Viccaro – drums
Vinnie Colaiuta – drums
Jean-Michel Aublette – drums, bass
Ranjit Barot – drums, vocals
Oz Ezzeldin – piano
Roger Rossignol – piano
Julian Siegel – tenor saxophone
1. As the Spirit Sings 5:22
2. Singing our Secrets 5:13
3. Lockdown Blues 7:19
4. Mila Repa 2:29
5. Right Here, Right Now, Right On 7:26
6. Shade of Blue 1:33
7. Liberation Time 7:57
All compositions by John McLaughlin