ギタートリオにテナーのマーク・ターナーを迎えた3作目
ハーツ・ワイド・オープン / ギラッド・ヘクセルマン
ギラッド・ヘクセルマンの『Split Life』『Words Unspoken』に続く3枚目のリーダー作。
本作のメンバーは、前作『Words Unspoken』でも一緒だったベースのジョー・マーティンとドラムのマーカス・ギルモアに加えて、テナーのマーク・ターナーが4曲で参加している。
ヘクセルマンの音楽的反射神経というか、瞬発力というか、節目節目で繰り出してくるフレーズの巧みさは相当なもので、練り上げたものではなく、瞬間的なひらめきだからこその勢いと鮮やかさがある。
全曲オリジナルで、5曲目「Brooze」や7曲目「The Bucket Kicker」など、4ビートでぐいぐいくる曲は、その良さが発揮されていてよいのだけれど、前半に非4ビート曲が続くのは、いまひとつ切れ味がよくない。
この人は、やはりまっすぐに攻めてきてこそ、持ち味が発揮されると思う。
リズム隊は手堅くツボをおさえた演奏で、特にマーカス・ギルモアは小技が効いており、マーク・ターナーはやや大人しめではあるが、表情豊かなソロでアルバムにコクを加えている。
1.Prologue
2.Hazelnut Eyes
3.One More Song
4.Flower
5.Brooze
6.Hearts Wide Open
7.The Bucket Kicker
8.Understanding
9.Will You Let It?
10.Epilogue
Gilad Hekselman(G)
Mark Turner(Ts)3,5,6,8
Joe Martin(B)
Marcus Gilmore(Ds)