アーロン・パークスらを迎えての注目の初リーダー作
ゴールデン・エイジ / ニア・フェルダー
ニア・フェルダーは、1982年生まれ、ニューヨーク出身のギタリスト。
バークリー音楽大学在学中に「The Jimi Hendrix Award」を受賞して注目を集めた。
2005年にプロとして活動を開始して以来、エスペランサ・スポルディング、テリ・リン・キャリントン、ミシェル・ンデゲオチェロらジャズミュージシャンのほか、チャカ・カーン、ジョン・メイヤーなどポピュラーミュージックのアーチストまで、幅広く共演。
満を持しての初リーダー作が本作である。
ひとつ年下のギラッド・ヘクセルマンが、2006年、20代前半で初リーダー作をリリースしたことを考えれば、いささか遅めではある。
キャリアの重ね方は人それぞれで、外野がどうこう言うことでもないが、ソロデビューを期待する声が多かったのは確かだ。
カルテット編成で、メンバーが強烈。
アーロン・パークス(p)、マット・ペンマン(b)、ネイト・スミス(ds)ら、NYのジャズ・シーンの最前線で活躍する同世代の凄腕ミュージシャンがずらり。
この顔ぶれにそそられて触手を伸ばすジャズファンも少なくないだろう。
その内容だが、1曲目はアメリカンロック調で、ちょっとびっくり。
オープニングだけかと思ったら、全体にロックテイストが強い。
リトル・フィートとか、あのあたりの感じ。
3曲目「Ernest / Protector」のように、変拍子の難度の高い曲で、がんがんソロを弾きまくる曲があるものの、全体としては少なく、アンサンブルを聞かせる印象。
全曲オリジナルだから、ニア・フェルダーとしては、演奏技術よりもコンポーザーとしての自分を押し出したかったのかもしれないが、若きギターヒーローを期待していた自分としては、やや肩透かしな感は否めない。
アメリカのレビューでも、賛否両論が飛び交ったようだ。
とはいえ、これがデビュー作で、まだ30代前半。
幾多の共演経験を経て、引き出しが多いのは確かだから、次回作以降で別の側面を見せてくれるだろう。
1.Lights
2.Bandits
3.Ernest/Protector
4.Sketch, Pt. 2
5.Code
6.Memorial
7.Lover
8.Bandits, Pt. 2
9.Slower Machinery
10.Before the Tsars
Nir Felder / guitar
Aaron Parks / piano
Matt Penman / bass
Nate Smith / drums