当代屈指のギターとピアノの名手がスタンダードを採り上げた珠玉のデュオ
ソングス・ウィ・ノウ / ビル・フリゼール + フレッド・ハーシュ
相性が良さそうで難しいのがギターとピアノのデュオだとされる。
難しかどうかはミュージシャンの力量次第だと思うが、あまり食指がそそられないものなのか、作品は少ない。
ハービー・ハンコックにもキース・ジャレットにもチック・コリアにも、ギターとのデュオアルバムは存在しない。
いちばん有名なのは、やはりジム・ホールとビル・エバンスのデュオ『Undercurrent』(別記事あり)で、これはジャズ史上に輝く傑作である。
その『Undercurrent』に挑んだ、というわけでもないだろうが、1990年代に名手二人が残したデュオの秀作がこのアルバム。
ビル・フリゼールとフレッド・ハーシュ。
とても個性の強い二人だからして、うまく噛み合うかなーという懸念も少しあったが、そんなド素人の心配はまったく無用だった。
「いつか王子様が」などのド定番曲を、見事な駆け引きの中であざやかに料理してみせる。
どの曲もわりと短めで、アドリブは控えめに、テーマをじっくり聴かせているのが印象的。
ビル・フリゼールのアルバムの中では、最も耳あたりがよく親しみやすい作品のひとつだと思うが、それでも濁った和音をぶつけてきたり、アクセントを微妙にずらして聞き手をつんのめらせたり、フリーゼルらしさは随所に。
フレッド・ハーシュの持ち味である端正さ、詩的な美しさも十分発揮され、とても良質なデュオに仕上がった。
1 It Might As Well Be Spring
2 There Is No Greater Love
3 Someday My Prince Will Come
4 Softly As In A Morning Sunrise
5 Blue Monk
6 My One And Only Love
7 My Little Suede Shoes
8 Yesterdays
9 I Got Rhythm
10 Wave
11 What Is This Thing Called Love?
Piano – Fred Hersch
Guitar – Bill Frisell
