ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとのアンサンブルで絵画的風景を描く
ビッグサー / ビル・フリゼール
米「ダウンビート」誌の2009年以降のバックナンバーが手元にあるのだが、批評家投票ギター部門の1位は、2009年から13年まで連続してビル・フリゼールである。
やってることが大衆ウケすることばかりではないので、決してファン層が広く厚いとは言えないが、評論家や玄人筋からの評価はすでに確立。
そんな彼が、ギターとドラム、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという、ジャズのコンボとしてはあまりない編成でリリースしたのが本作である。
ビッグサー(Big Sur)は、太平洋を望むカリフォリニアの絶景地であり観光地。
単にその地をイメージしたというのではなく、このアルバムの全曲が、このビッグサーのGlen Deven Ranchという場所で書かれたらしい。
発表されたのはCDに先行して、2012年のモントレー・ジャズ・フェスティバルだったそうだ。
いうまでもなくモントレーも同じくカリフォルニアにある。
演奏内容は、非常に叙情的で、瞑想的な雰囲気に満ちている。
フリゼール特有の浮遊感のあるギターサウンドは本作でも健在であり、メロディックなアプローチは聴き手の心に深く沁み入る。
エレキギターだけでなくアコギも多用され、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと織りなす美しいハーモニーが特徴的だ。
この編成だからだろう、インプロビゼーションは控えめなようで、スコアに基づくアンサンブルとしてのまとまりが重視されている印象。
個々の楽曲は比較的短く、スケッチのような小品が連なり、全体として一つの組曲のような構成になっている。
弦楽器中心の繊細なアンサンブルなので、できるだけ解像力の高いオーディオで聞きたい。
実際のビッグサーがどんな土地なのかしらないが、音から確かに絵画的な風景が立ち上がってくる。
1. The Music of Glen Deven Ranch
2. Sing Together Like a Family
3. A Good Spot
4. Going to California
5. The Big One
6. Somewhere
7. Gather Good Things
8. Cry Alone
9. The Animals
10. Highway 1
11. A Beautiful View
12. Hawks
13. We All Love Neil Young
14. Big Sur
15. On the Lookout
16. Shacked Up
17. Walking Stick (for Jim Cox)
18. Song for Lana Weeks
19. Far Away
Bill Frisell - guitar
Jenny Scheinman - violin
Eyvind Kang - viola
Hank Roberts - cello
Rudy Royston - drums
