アンダーカレント / ビル・エヴァンス&ジム・ホール
ジャズ史上に残るピアノ&ギターデュオの傑作
ビル・エヴァンスとジム・ホール、ピアノとギターの名手による至高のデュオ作品であり、ジャズ史上に残る傑作。
アート性の高い美しく神秘的なジャケットでも知られている。
二人とも技巧派ではあるが、がんがん弾きまくるタイプではなく、端正で輪郭の美しい音を紡ぎ、詩情的なハーモニーを重んじている。
本作では、その二人の持ち味がうまく発揮され、絶妙なインタープレイを聴かせている。
ただ、ギターとピアノのデュオなのでスロウが多いかと思えば、意外とそうではない。
例えば超有名曲「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をオリジナルに近く、ゆったり演奏するかと思いきや、アップテンポ。
このあたりのアイデアは、さすが才人の二人である。
それぞれのソロも素晴らしいが、バッキングも聞き所満載。
同じく「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」での、ジムのソロのバックで鳴るビルのリリカルな和音の響き、それに続くビルのソロを支えるジムのキレのいいリズム・カッティング、それぞれに絶妙である。
デュオであるがゆえに、細部までしっかり聞き取れ、何度聞いても発見がある。
この2人のデュオはこの4年後、1966年に再び『インターモデュレーション』というアルバムとしてリリースされている。
1.My Funny Valentine
2.I Hear a Rhapsody
3.Dream Gypsy
4.Romain
5.Skating in Central Park
6.Darn That Dream