ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Idle Moments / Grant Green (1965)

60年代前半、当時の精鋭を集めたグラント・グリーンの代表作

Idle Moments

Idle Moments

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アイドル・モーメンツ / グラント・グリーン

同時代に活躍したウエス・モンゴメリーが、コードワークにも長け、オクターヴ奏法という極め技を持っていたのに比べ、グリーンはあくまでもシングルトーン勝負。

そのぶん、やや華やかさに欠け地味といえば地味だが、ウエスと同じことをやっても仕方ないわけで、R&Bをベースにしたブルージーでホーンライクなソロにおいて、卓越したプレーヤーであることは確か。

このアルバムでもそんな彼の持ち味が十分に発揮されているが、他の代表作に比べやや渋めというかシリアスな印象を受ける。

いくらLPの時代とは言え、オリジナル盤の収録曲はたった4曲。

とにかく1曲が長くて、10分超えが2曲ある。

そのうちの1曲「Idle Moments」はピアノで参加しているデューク・ピアソンの作で、超スローテンポ。

グラント・グリーンをはじめ、ブルーノートの精鋭を集めたメンバーのソロもたっぷりで、ゆったりと身を委ねて聞いていられる。

かと思うと、2曲目はグラントのオリジナルで疾走感にあふれた「Jean De Fleur」、続いてMJQの演奏で有名な「Django」と、飽きさせない構成もうまい。

主役はギターではあるものの、色彩感のあるボビー・ハッチャーソンのヴィブラフォン、ジョー・ヘンダーソンの壮大なテナー・サックスも素晴らしく、この時代のジャズの躍動感を感じさせる一枚でもある。

 

1. Idle Moments 
2. Jean De Fleur 
3. Jean De Fleur (Alternate Version) 
4. Django 
5. Django (Alternate Version) 
6. Nomad 
※CD化に際して別テイクが2曲追加された。


Joe Henderson (ts)
Bobby Hutcherson (vib)
Duke Pearson (p)
Grant Green (g)
Bob Cranshaw (b)
Al Harewood (d)