ファット・タイム / マイク・スターン
マイルスの影響が色濃い初のリーダーアルバム
バークリー音楽大学でゲイリー・バートンらに師事し、同校の講師だったパット・メセニーに勧められてブラッド・スウェット&ティアーズのオーディションに参加し、1976年に加入。
その後、ビリー・コブハム、マイルス・デイヴィスのグループに参加するなど、これほどエリート街道を歩いてきたジャズ・ギタリストは、他になかなか見当たらない。
そのマイク・スターン初のリーダーアルバムが本作。
今では、彼の代名詞とも言えるエフェクター、ヤマハSPX90は1985年の発売なので、それ以前の音だ。
かなりディストーションがかかっていてロック的な音だが、フレージングはジャズのそれ。
ただ、ソロも熱が入ってくると、だんだんロックぽくなったりもする。
ハイラム・ブロックとのツイン・ギターは迫力満点。
アルトサックスのデイヴィッド・サンボーンのソロも目立ちまくり。
全体にマイルスの影響が濃く、濃密でエネルギッシュだ。
原題「Neesh」の意味は、調べてもよくわからない。
邦題の「ファット・タイム」は、もともとはマイルス『The Man With The Horn』の1曲めの曲名。
このアルバムにはマイク・スターンも参加していて、当時、彼は太っていたので、マイルスがあだ名で「ファット・タイム」と呼んだらしい。
だからといって、ファースト・ソロ・アルバムにこの邦題をつけるのは、あまりいいセンスだとは思えないなぁ。
Alto Saxophone – David Sanborn
Bass – Tom Barney
Drums – Victor Lewis
Guitar – Hiram Bullock, Mike Stern
Percussion – Buggsy Moore
1 Zee Frizz
2 Fine Line
3 Bruze
4 Mumbley Peg
5 Up-Ology
6 Banacos
7 Neesh Zone