ホエア・フォーチュン・スマイルズ / ジョン・マクラフリン
ジャズ・ロック勃興期の熱気が伝わる一枚
リリースは1971年だが、録音は1969年。
いうまでもなく1970年前後は、ジャズもロックも、その歴史の流れを変える革新的、野心的な作品が次々とリリースされた、激動の時期だった。
ジャズの分野ではマイルス・デイヴィスの「Bitches Brew」やトニー・ウィリアムスの「Lifetime」が、新たな潮流の代表作だが、本作もそれらと並ぶ一枚。
この時期のジャズ・ロックの最重要アルバムという声もある。
ジョン・マクラフリンの名前が筆頭にあるが、マクラフリンの他、スチュ・マーティン、ジョン・サーマン、デイヴ・ホランド、カール・バーガーの連名作品で、全5曲のうちマクラフリンが3曲、サーマンが2曲書いている。
全体として、非常にエネルギッシュで攻撃的。既成のジャンルの枠を越えようとする、強い野心が感じられる。
サーマンのサックスは、時に野獣の雄叫びのようにフリーキーで、これに負けじと鋭角的なソロを速射砲のように放つマクラフリンのソロも凄まじい。
この時代の混沌とした熱気が感じられる作品である。
1 Glancing Backwards (For Junior)
2 Earthbound Hearts
3 Where Fortune Smiles
4 New Place, Old Place
5 Hope
John McLaughlin / guitar
John Surman / baritone sax
Karl Berger / vibraphone
Stu Martin / drums
Dave Holand / bass