井上銘を中心とする若き精鋭集団STEREO CHAMPのセカンド
モノ・ライト / ステレオ・チャンプ
前年のファースト『STEREO CHAMP』(別記事あり)は、MAY INOUE STEREO CHAMP名義でのリリースだったが、本作ではSTEREO CHAMPとなった。
井上が顔役であり牽引役であるものの、各メンバーそれぞれが主役級のプレイヤーだけに、それぞれの個性を大切にしつつバンドとしての一体感、結束感を高めたかったのだろう。
そえゆえの名義変更であり、サウンド面にもその変化は表れている。
5人のメンバーが放つ音は、緻密で表情豊か。
それらが絶妙に絡み合いながら変幻自在な音世界を作り出す。
若さゆえに突っ走るという印象はなく、じっくりとアンサンブルを織り上げている印象だ。
コンテンポラリー・ジャズが基本ではあるのだが、ロック的、クロスオーバー的(フュージョンではない)要素もあり、ふとリターン・トゥ・フォーエバーの第二期を思い起こしたりする。
かなり情報量の多い演奏なのだが、それでいれゴチャとした感じにならないのは、アレンジの巧みさと録音の良さゆえだろう。
ひとつひとつの音の輪郭が明確なのだ。
井上のギターは縦横無尽。
彼らしい鋭角的なキレ味が、随所に冴え渡っていて、特にロック的なアプローチの演奏が耳に残る。
類家のトランペットも、凛とした音と雄弁さを併せ持ち、聞き所満載。
また、WONKのKento NAGATSUKAがゲスト・ヴォーカルとして「Dan」に参加しており、清々しい歌声が印象的だ。
井上は20歳で鮮烈なデビューを果たし、前作の『STEREO CHAMP』も秀作だっただけに、聞く側の評価のハードルも上がり気味になるが、鮮やかに飛び越えてくれた。
井上銘(G)
類家心平(Tp)
渡辺翔太(P,Key)
山本連(B)
福森康(Ds)
※M-02:Kento NAGATSUKA(Vo)
1.New Introduction
2.Dan feat. Kento NAGATSUKA
3.To The Light
4.Links
5.Thank you
6.Midnight and Morning
7.Nishinoomote-Kou