ベルギージャズを代表するピアニストとギタリストの双頭コンボ作
インナー・トラベルズ / パトリック・デルテンレ,イヴァン・パドゥアー
ベルギーのジャズ・ミュージシャンと言われて、まずジャンゴ・ラインハルトの名前が思い浮かぶものの、その後が続かない。しかしベルギーはけっこうジャズの盛んな国らしい....てことを以前にも書いた。
パトリック・デルテンレはベルギーを代表するギタリストで、1960年生まれだから60代の半ばに差し掛かるベテラン。
両親ともに音楽家で、ベルギーの名門芸術大学・リエージュ王立音楽院で学んだというエリートである。
オフィシャルサイトが見当たらないので、正式なディスコグラフィは確認できないのだが、ベルギージャズを代表するピアニスト、イヴァン・パドゥアーとは、『Hand in Hand』(2018年:別記事あり)と『Ear We Are』(2020年:別記事あり)、デュオ作を2作品リリースしている。
彼とは、よほど相性が良く、作品の評判も芳しいのだろう。
前2作は二人のデュオだったが、本作は双頭名義ではあるものの、ベースやマリンバ、パーカッション、ハーモニカ、ヴォーカルなどが加わり、音に厚みが出てバラエティ豊かになった、
とはいえ、基本路線は前2作の延長線上にあり、端正で粒立ちの良い音が、品よく繋がり重なる。
全曲が2人のオリジナルもしくは共作曲。
タイトルからは、内省的、哲学的な内容を連想してしまうが、そうした側面はほとんどなく、テーマにもアドリブにもメロディアスで耳あたりのいいフレーズが頻出する。
少々品が良すぎる感もあるが、これが彼らの持ち味なのだろう。
日本ではあまり話題になっていないようだが、この動画などを見ると、ぜひ日本でも観てみたいと思う。
1. Thalys
2. Mauritius
3. On the Pillow
4. No Fear
5. Resilience
6. Petite parenthese
7. Monsieur Monseur
8. Bossiere etoilee
9. Pile ou face
10. Forbidden Love
Ivan Paduart – piano, synths
Patrick Deltenre – guitars, harmonica
Philippe Aerts – double bass
Steve Shehan – percussions
Guests Sinne Eeg – vocals (2, 3, 8)
Raphaëlle Brochet – vocals (3, 8)
Paul Pasquier – marimba (8)
Michel Seba – percussion (1)