ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Ear We Are / Patrick Deltenre、Ivan Paduart (2020)

ベルギー屈指のギター&ピアノ・デュオの2作目

イヤ・ウィ・アー / パトリック・デルテンレ、イヴァン・パドゥアー

ベルギーのジャズ界を代表するギタリストとピアニスト、パトリック・デルテンレ、イヴァン・パドゥアーのデュオ作。

彼らのデュオはこれが2作目で、前作の『Hand in Hand』(別記事あり)を、何の予備知識もないまま聞き、その完成度の高さに驚いた記憶がある。

なので、約2年をおいての再度のデュオには期待が募る。

目先を変えて次作はコンボで、とかなりそうなものだが、彼らとしてもデュオに自信があり、前作の評判も良かったのだろう。

基本的には前作の延長線上にあり、前作の紹介文で
「ものすごく手っ取り早くいうと、日本人のジャズファンが「ヨーロッパ的なピアノとギターのデュオ」として真っ先に思い浮かべるであろう音と演奏、ほぼそのまんまな感じ。とにもかくにも、透明感のある音が素晴らしく、演奏は、叙情的で端正で知的で品がある」
と書いたが、本作にもそのまま当てはまる。

ヨーロッパ的といってもECMほど耽美的、文学的ではなく、グルーヴは小気味よくヴィンテージな印象もある。

テーマにもアドリブにも美メロが頻出するし、尖ったことはほとんどやらないので、たいへん耳あたりがいい。

ややこじんまりまとまりすぎていて、いかにも室内楽としてのジャズという印象だが、これが彼らの持ち味なのだろう。

小粒ではあるが、佳作といえるだろう。

 

 


1.Ear We Are
2.Gift To A Friend
3.Tomorrow
4.Endless Winter
5.Bea
6.Virgo
7.For Jay Dee
8.Patience
9.Talking Off
10.Crystal Clear
11.Staying Here
12.Bea(reprise)