UKジャズ屈指の新鋭ギタリストのセカンド
ヘイワ / マンスール・ブラウン
UK新世代ジャズシーン屈指のギタリスト、マンスール・ブラウンの2021年作。
リリース元のインフォでは「新世代ジャズを代表する鍵盤奏者がロバート・グラスパーで、ベースがサンダー・キャットならば、ギターはこの男マンスール・ブラウン」などと称されているらしく、個人的にはそれほどでも、という気もするが、イマドキ感に満ちた卓越したギタリストであることは確か。
UKジャズ隆盛のきっかけになったともいわれる2016年のユセフ・カマールの『Black Focus』に参加、そのプレイが大きな注目を集める。
2018年にリーダー作『Shiori』を発表。
2021年には自身が自主レーベルのAmai Recordsを設立し、セカンドとなるこの『Heiwa』をリリースした。
ひんやりとアンビエントに鳴り響くディストーション＆ディレイの利きまくった音が彼のアイコンで、どこか不穏でスリリングながら、メランコリックで叙情的にも聞こえるギタープレイが持ち味だ。
このアルバムではギター以外にキーボードやフルート、サックスまでも操り、多能なマルチプレイヤーぶりを発揮。
プリンスさながらだが、実際プリンスの影響は大きいと本人が語っている。
このアルバムもギタリストというよりは、マルチプレイヤーとしての世界観を示したもので、その観念的な音世界は決して多くの人を惹き込むものではないが、異形のアートとしての完成度は高い。
1.my prayer
2.serious
3.flight
4.fade
5.take note
6.heiwa
7.kerene
8/sweet
9.want you
10.arrival
