デュオローグス / ジム・ホール、エンリコ・ピエラヌンツィ
ジム・ホール、2000年代のピアノデュオ名盤
ジム・ホールとイタリアを代表するピアニスト、ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィとのデュオ。
キャリアのあるジャズギター・ファンなら誰だって、ジム・ホールとビル・エヴァンスのデュオ名盤『Undercurrent』(1962)と比較するだろう。
いくらギターが同じジム・ホールとは言え、40年以上も経っているのだから、当然プレイに変化はある。
また、エンリコ・ピエラヌンツィの演奏ははエヴァンスよりも自由度が高く、特にアドリブでは意表を突いたフレーズが頻出する。
このアルバムでも、わかりやすいワルツやバラードはあるものの、インプロビゼーション主体の曲が多く、そのあたりは正統派のジャズであった『Undercurrent』とは違う。
どっちが万人受けするかといえば、まあ『Undercurrent』だろう。
この『Duologues』は、いささかとっつきにくい感じはあるものの、二人の繊細なタッチの美しさ、掛け合いの妙は絶品で、名手のデュオならではの美しく緊張感のある音空間を味わえる。
演奏途中、ジムが集中してゾーンに入ってしまったのか、うめきのような声が聞こえるのも生々しくて、グッとくる。
1.Duologue 1
2.Careful
3.From E. To C.
4.Our Valentines
5.Duologues 2
6.The Point at Issue
7.Something Tells Me
8.Jimlogue
9.Duologue 3
10.Dreamlogue