ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Timeless / John Abercrombie (1975)

タイムレス / ジョン・アバークロンビー

Timeless

Timeless

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ECMを代表するギタリストの初リーダーアルバム

ドラムにジャック・ディジョネット、キーボードにヤン・ハマーという、トリオ・アンサンブルで、ジョン・アバークロンビーのギターは、音色こそECM特有のリヴァーブで色付けられてはいるものの、奏法はジャズの正統であって音の粒立ちがいい。

一方のヤン・ハマーはジャズ色が薄く挑戦的でイケイケ感が強い。

この二人の丁々発止の掛け合いに、ディジョネットが推進力を与えているという構図に聞こえる。

壮絶なバトルもあれば、リリカルなデュエットもありと、曲調はさまざま。

しかし、コンセプトアルバムのようなトータリティもあって、一連の叙事詩のようである。

「Lungs」は前半のバトルと幻想的な後半との対比がユニークだし、「Love Song」と「Remembering」では、ギターとピアノでの端正で美しいデュオを聴かせる。

そしてスペクタクルな曲展開が、まさしく時空を超えるような「Timeless」で幕を閉じる。

これほど鮮烈なデビューアルバムも、そうそうないだろう。