NYのポスト・ジャズ・ロックを体現したトリオ作品
ダイス / アダム・ロジャース
「Dice」はアルバムタイトルであり、新しく結成したグループ名でもあるらしいが、アダム・ロジャースのオフィシャルサイトでは、これが6作目のリーダーアルバムとしてリストアップされている。
新グループとは言っても、ベースのフィマ・エフロン、ドラムのネイト・スミスとは、ともにクリス・ポッター・アンダーグラウンドの主要メンバーとして活動しており、旧知の間柄。
トリオというオーソドックなフォーマットで、気心の知れた仲間と丁々発止の掛け合いを楽しみつつ先鋭的なアンサンブルに挑んでいる、そんな躍動感が伝わってくる作品だ。
艶やかなブルースあり野太いファンクあり。
そして、クリス・ポッター・アンダーグラウンドで展開していたような、ポスト・ジャズ・ロック的なサウンドがふんだんにある。
ネイト・スミスのスピード感溢れるビート、フィマ・エフロンの強靭なグルーヴはイマドキ感満載で、ここにアダム・ロジャースがディストーションの効いた音で、エッジの立ちまくったフレーズを放ってくる。
非常にスリリングで緊張感に溢れ、トリオとしてのダイナミズムも十分だが、なにぶんロック色、ファンク色が強すぎるので、そのあたりは好みが分かれるところ。
それにしても、この人はリリースが少ない。
前作の『Sight』は2009年だから、8年くらい空いているわけで、もうちょっとコンスタントなリリースを願いたいと思う。
この動画は2018年の来日公演
1. Dice
2. Chronics
3. Sea Miner
4. The Mystic (For Fred McDowell)
5. The Interlude
6. Flava
7. Elephant
8. Crazy
9. L the Bruce
10. Seven
アダム・ロジャース (Adam Rogers) - Guitar
フィマ・エフロン (Fima Ephron) - Bass
ネイト・スミス (Nate Smith) - Drums