テナーのクリス・ポッターをフロントに迎えた2作目のリーダー作
アレゴリー / アダム・ロジャース
コンテンポラリー・ジャズ・ギターの精鋭アダム・ロジャーズ、名門Criss Crossレーベルからの2作目。
前作『Art of The Invisible』から約1年と、比較的短いインターバルでのリリースだ。
ドラム、ベース、ピアノは前作と同じ顔ぶれ。
彼らの実力は折り紙付きだし前作もかなりの出来だったので、これで一定以上の質は保証されたようなもの。
この顔ぶれに、本作ではテナーのクリス・ポッターが加わっての2フロントである。
スタンダードを重んずる傾向にあるCriss Crossにしては珍しく、全曲オリジナル。
前作も1曲を除いてオリジナルだったから、それだけアダムの作曲の才能を評価しているのだろう。
疾走しまくる曲もあれば、物憂げなスロウもありと曲調は多彩。
アダムのクリーンなトーン、鮮やかに上昇下降するフレーズ、独特のアクセント（シンコペーション）は、前作をさらにアップデートした印象。
決してわかりやすいフレーズではなく、どちらかというと小難しいが、どこか中毒性があって引き込まれる。
クリス・ポッターは、テーマにユニゾンで参加することが多く、芯のある音でメロディに厚みを与えているし、ソロも饒舌。
リズム隊も手堅さと自己主張のバランスがよく、いい曲、いいメンバー、いい演奏が揃った佳作だと思う。
1 Confluence
2 Phyrigia
3 Was
4 Genghis
5 Angle of Repose
6 Orpheus
7 Red Leaves
8 Cleveland
9 Purpose
10 Angle of Repose - Reprise
Adam Rogers (g)
Chris Potter (ts)
Edward Simon (p)
Scott Colley (b)
Clarence Penn (ds)
