ユーマ・エルモ / ヤコブ・ブロ
デンマークのギタリスト〈ECM〉からの5枚目
ジャケットといい、音の佇まいといい、いかにもECMからのギタリストのリーダーアルバム。
簡単に言ってしまえばラルフ・タウナー、テリエ・リピダルからの流れをくむ作品である。
ヤコブ・ブロは、デンマークのギタリストで、ECMからのリーダー作としてこれが5枚目。
ECMからの初リーダー作『Gefion』が2015年だから、コンスタントな活動ぶりだ。
ノルウェーのトランペッターArve EnriksenとスペインのドラマーJorge Rossyとのトリオによる作品で、本作が初共演とのこと。
Arve Henriksenはノルウェーのジャズシーンのキーパーソンの一人で、リーダー作もある。
Jorge Rossyは、Brad Mehldauのトリオに10年以上、在籍していた人だ。
Jakob Broのギターの音数は少なく、さまざまエフェクターを駆使しながら、アンビエントな響きで空間を埋めていく印象。
Arve Henriksenのペットも能弁ではなく囁くように響く。
ドラムに呼応するベースがいないせいもあってか、リズムをキープするというよりも、スネアやシンバルの各音を、空間に配置していくといった印象だ。
幽玄の美といえば極端かもしれないが、幻想的で異世界に誘い込むような音でありながら、不思議な包容力を持つ。
もちろんそれはまたECMらしさでもあり、現在のECMを代表するアルバムだと言える。
Jakob Bro(g)
Arve Henriksen(tp,piccolo tp)
Jorge Rossy(ds)
1. RECONSTRUCTING A DREAM
2. TO STANKO
3. BEAUTIFUL DAY
4. MORNING SONG
5. HOUSEWORK
6. MUSIC FOR BLACK PIGEONS
7. SOUND FLOWER
8. SLARAFFENLAND
9. MORNING SONG (VAR.)