ECMの重鎮、キャリア50周年の区切りとなるソロ作品
アット・ファースト・ライト / ラルフ・タウナー
今年83歳、ECMレーベルと共に歩みつづけて50周年。
本作も、繊細で端正で軽妙で、それでいて奥行きの深いタウナー節は健在だ。
自身のオリジナル曲のほか、ホーギー・カーマイケルの「Little Old Lady」などカバーが数曲。
ジャズとしてわかりやすいグルーヴはほとんどなく、知らずに聴いたらクラシックか現代音楽と思いそうだが、コードワークはやはりジャズで、そこにスパニッシュ、カントリー、ブルースなどの要素が織り交ぜられている。
それにしても、80歳過ぎて、このみずみずしさはどうだろう。
音の一粒一粒が美しくフレーズも流麗。
身を任せて聞き流すのも心地よいし、フィンガリングの妙をじっくり聴き込むのもよしである。
少しばかり残念なのは、全曲6弦のクラッシックギターによる演奏であること。
彼の弾く12弦は大好物なので、せめて1曲は入れてほしかった。
1.Flow
2.Strait
3.Make Someone Happy
4.Ubi Sunt
5.Guitarra Picante
6.At First Light
7.Danny Boy
8.Fat Foot
9.Argentinian Nights
10.Little Old Lady
11.Empty Stage