ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

At First Light / Ralph Towner (2023)

ECMの重鎮、キャリア50周年の区切りとなるソロ作品

アット・ファースト・ライト / ラルフ・タウナー

今年83歳、ECMレーベルと共に歩みつづけて50周年。

本作も、繊細で端正で軽妙で、それでいて奥行きの深いタウナー節は健在だ。

自身のオリジナル曲のほか、ホーギー・カーマイケルの「Little Old Lady」などカバーが数曲。

ジャズとしてわかりやすいグルーヴはほとんどなく、知らずに聴いたらクラシックか現代音楽と思いそうだが、コードワークはやはりジャズで、そこにスパニッシュ、カントリー、ブルースなどの要素が織り交ぜられている。

それにしても、80歳過ぎて、このみずみずしさはどうだろう。

音の一粒一粒が美しくフレーズも流麗。
身を任せて聞き流すのも心地よいし、フィンガリングの妙をじっくり聴き込むのもよしである。

少しばかり残念なのは、全曲6弦のクラッシックギターによる演奏であること。

彼の弾く12弦は大好物なので、せめて1曲は入れてほしかった。

 

1.Flow
2.Strait
3.Make Someone Happy
4.Ubi Sunt
5.Guitarra Picante
6.At First Light
7.Danny Boy
8.Fat Foot
9.Argentinian Nights
10.Little Old Lady
11.Empty Stage