ソロ・コンサート / ラルフ・タウナー
幻想的でスピリチュアル、ギターソロ・ライヴの名作
ECMレーベルを代表するギタリストの一人、ラルフ・タウナーのソロ・ライヴ作品。
ECMで、ピアノ・ソロの名ライヴ盤といえばキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』、アコギのライヴならこちらという名作である。
エンジニアは『ケルン・コンサート』と同じく名手マルティン・ヴィーラントなので、聴くものを深く包むあのリバーブが、この作品でも味わえる。
本作は、1979年、ドイツのミュンヘンとスイスのチューリッヒでのライヴを収録しており、4曲が本人のオリジナル、2曲がやはりECMで活躍したギタリスト、ジョン・アバークロンビーの作品、そしてマイルスの「ナーディス」のカヴァーという構成だ。
ラルフ・タウナーはクラシック・ギター、12弦ギターを主に使っていて、ジャズ・ギタリストというより現代音楽を思わせる演奏も多いが、それこそが彼の持ち味。
コードによるハーモニーとソロを組み合わせるアイデアと技が驚くほど豊富で、多重録音としか思えない箇所が随所にある。
深いリバーヴのせいもあって、ときに幻想的、ときにスピリチュアルで、目を閉じて聴くと俗世を離れ別世界へ誘われるかのよう。
細部のテクスチャーに魂が宿った作品なので、できるだけ良いオーディオで聞きたい。
1 Spirit Lake
2 Ralph's Piano Waltz
3 Train Of Thought
4 Zoetrope
5 Nardis
6 Chelsea Courtyard
7 Timeless