ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

A Sign of the Times / Tal Farlow (1977)

ハンク・ジョーンズ、レイ・ブラウンを迎えた1970年代のトリオ作

ア・サイン・オブ・ザ・タイムス / タル・ファーロウ

タル・ファーロウは1954年に初リーダー作をリリース、一躍注目を集めたジャズ・ギターの名手。

1958年にいったん引退するものの、10年後の68年に復帰。

70年代後半からは50年代同様、毎年のように次々と佳作をリリースした。

本作はそんな彼の70年代を代表する作品。

ピアノにハンク・ジョーンズ、ベースにレイ・ブラウンという腕利きを迎えたトリオが悪かろうはずもなく、良い意味で肩の力が抜けた、リラックスした演奏を聞かせている。

ドラムがいない分、アンサンブルは軽やかで丸みがあり優しい。

50年代の代表作に比べれば、やや線の細さが感じられるものの、タルのギターは饒舌によく歌う。

ハンク・ジョーンズのピアノも彼特有の音の粒立ちの鮮やかさが存分に発揮され、タルを食っていると思わせるほどだ。

 


Guitar – Tal Farlow
Bass – Ray Brown
Piano – Hank Jones

 

1.Fascinating Rhythm
2.You Don't Know What Love Is
3.Put on a Happy Face
4.Stompin' at the Savoy
5.Georgia on My Mind
6.You Are Too Beautiful
7.In Your Own Sweet Way
8.Bayside Blues